11.28戦争法廃止を展望する

参院選は民主主義・立憲主義を取り戻す正念場

とめよう改憲!大阪ネットワーク主催の「憲法のつどい2015 戦争法廃止への展望を考える」集会が、11月28日(土)大阪市立中央会館で開催され、ほぼ満席の180人超の市民らが集まった。
集会では「立憲主義の復元のために―安倍政権の暴走を止める」と出した早稲田大学の水島朝穂の講演が行われた。

 


水島さん講演要旨は次の通りです。
【ミャンマー総選挙で野党が勝利】
ミャンマー総選挙における野党の勝利で、軍事政権とその下で制定された反立憲主義のミャンマー憲法が大きく変わるだろう。ミャンマーの現憲法では軍人に1/4の議席が保障されているが、スーチーさんが率いる野党は憲法改正に必要な議席を獲得した。現憲法には「家族に外国人籍の者がいると大統領になれない」という規定があり、スーチーさんは(息子が外国籍のため) 大統領になれない。これに対してスーチーさんは「私は憲法を超える」と言った。軍事政権下に作られた現憲法を超えてもよいが、今後制定されるであろう新憲法を超えてはならない(立憲主義を否定することになる)。

 

<写真上> ミャンマーの現憲法

【安倍はヒトラーに似てきた】
戦争法採決後、安倍は与党に対してお礼のあいさつをしていない。防衛大臣は答弁に行き詰まると顔を赤くするなど表情が変わった。だが安倍は表情一つ変えないまま開き直り答弁をした。こういうことができるのは、これまでの人生で苦労もせず悩みもせず前へ進んできたからである。
昨年の憲法解釈変更の閣議決定や今回の憲法規定に基づく臨時国会開催要求の無視など、この政権は憲法のタガをはずし、憲法を超越したところに君臨し始めている。
安倍はヒトラーに似てきた。独裁者は常に攻撃しスケープゴートを作る。
安倍は橋下を総務大臣に任命し、地方から恐怖政治を始める。

<写真上> 水島さんが左手に持っているのはスーチーさん顔写真入りウチワ

【今、自衛隊で何が起こっている?】
安倍は集団的自衛権というタブーを取り払いたかった。集団的自衛権という言葉にこだわった。安倍の思惑に反してアメリカは今後何でも要求してくる。
米軍から要請があれば、撃墜された米軍機パイロット救出のため、自衛隊は地球の裏側へも出動しなければならない。
自衛隊の装備から死生観に至るまで、バージョンアップしている。
「自衛隊員を殺させない」という民衆の声が、隊員にサブリミナル効果をもたらしている。
憲法を変えずに法律だけ変えたので、やらねばならないことがたくさんある。自衛隊の装備はすでに違憲状態である。
輸出する個々の物品には問題はなくても、それらを結合させると武器になる。自衛隊向けの生命保険が変わっている。自衛隊に関して様々なことが変わってきているが、それに気づかないでいる。

<写真> ミャンマー陸海空軍・秘密警察の制服標章


【反アベ統一戦線】
60年間、解釈改憲が行われてきた。それでも他国防衛のために自衛隊は使えない。安倍が自衛隊を使おうとしたので、自衛隊合憲論者3人が国会で「違憲だ」と言った。
「安倍さんは本気で立憲主義を壊そうとしている」と自衛隊合憲論者が危機感を持った。改憲派と言われてきた憲法学者の長谷部さんや小林さんも含めて、「立憲主義を守る」という一点で安倍政権に対するいわゆる統一戦線ができ上がった

【運動の新たなうねり】
かつての運動とは質的に違う様相がこの間の運動で現れてきた。それは「民主主義ってなんだ!」、「立憲主義ってなんだ!」、「勝手に決めんな!」というコールに象徴されている。まさに、市民が憲法(立憲主義)を自分のものとして感じるようになった。運動の新たな、かつ大きなうねりになっている
50年の警察予備隊発足、52年の警察保安隊、54年自衛隊と2年ごとに変容してきたが、56年の参院選で憲法改正に必要な2/3以上の議席確保をめざす鳩山保守政権の野望を、野党は総力を挙げて選挙戦に取組み、その結果、これを阻止した。
1956年がそうであったように、来年の参院選に向け1/3以上の議席確保をめざす闘いをともに進めよう。候補を選ぶ段階から有権者が参加することが大事である。



【パリのテロ その裏では】
11.13パリのテロはできすぎている。イスラム国の犯行だとは立証されていない。
NATOとして動いたのではなく、EU条約42条が発動された。NATOに加盟しているが、EUに入っていない国はアメリカとトルコだけ。反イスラム国の中にさまざまなネジレがある。
軍需産業の株が上がっている。

水島さんは、風邪気味ですとおっしゃいながら、大変エネルギッシュに80分間熱弁を振るわれた。

その後のリレートークでは、それぞれの取り組み報告と今後の闘いに向けたアピールを受けた。
憲法違反の安保関連法案の廃止を求める大阪大学人の会の今岡良子さんは、国連で採択された「持続可能な開発目標17」を使おうと提案した。

<写真上>今岡さん


集団的自衛権違憲訴訟の会の冠木克彦さんは、「違憲訴訟は自衛隊海外派兵の時点で損害賠償請求するものだが、自衛隊派遣・後方支援・PKO参加の3つを差し止め請求するという考え方もある」と紹介した。
大阪教育合同労組の大椿裕子さんは「9.25声明を出し、教育労働者の置かれている状況を訴えた」と話した。


<写真上>大椿さん


ピース・アクションの山下慶喜さんは、毎月19日の行動など茨木市でのさまざまな取り組みを報告した。
SEALDs KANSAIのメンバーは、「反対しても何も変えられない、と言う人がいるが、長いスパンでやっていく。自分たちの言葉で伝えることが大切」と訴えた。

残された期間はあまりない。おおさか維新も含め安倍政権は、着々と彼ら側の統一戦線を構築しつつある。この国に民主主義と立憲主義を取り戻し、根付かせる正念場を私たちは迎えていることを再認識させてくれた集会だった。